立浪竜の3年が終わって!
#141◆10/ 4(金) ―― バンテリンドームナゴヤ
中 日 1 - 3 DeNA
#142◆10/ 5(土) ―― バンテリンドームナゴヤ
中 日 4× - 3 DeNA
(9回サヨナラ勝ち)
#143◆10/ 6(日) ―― バンテリンドームナゴヤ
中 日 0 - 2 DeNA
えてして監督は誰がやろうとそんなには変わらないのかもしれない。
しかし、周りは真剣にその野球を見続けている。とりわけ監督の一挙手一投足に対しては鋭い視線を送っている。
この監督はどういう野球をやろうとしているのか、そしてその実現の為にどんなチーム作りをするのかと。
ドラフト、トレード、使う選手にその役割を徹底的に叩き込む指導などなど様々な終わりなき仕事が常に付き纏っているものだ。
横浜最終の3連戦も相手チームを上回る安打数ながらの2敗と最後の最後でサヨナラ内野安打で勝利した1勝のカード負け越しで終え、微かな勝率の差で3年連続最下位の苦汁を舐めさせられてしまった。
そうして、チーム改革かチーム破壊革の立浪竜体制の3年が終わった。
象徴的だったのは、最終戦のセレモニーにドラゴンズの顔だったベテラン大島、周平、期待して入団した中田翔の姿が見えなかったことだ。
最後の場内一周の時に突如現れたビシエドの姿は嬉しかったが、この日退団が発表されてこれまで9年間のファンへの別れの挨拶の為に登場したのが分かって却って辛くなってしまった。
彼のツッコミ癖が最後まで直らず、立浪監督曰く直そうとしないビシエドに見切りを付けて引導を渡すという立浪流チーム作りの根幹にある頑なな指導法の典型で今季は殆どファーム暮らしの1年を強いたのだった。
真面目外国人(日本人扱い)のビシエドは登場して立浪監督に近づき帽子を取って深いお辞儀と握手をしていた姿にまた涙を誘われた。
退団を宣告され自身でも決心して来季以降もNPBのいずれかのチームでのプレーを望んでいるビシエドには何処かで一矢を報いて貰いたいものである。
ビシエドの件はそのひとつに過ぎないが様々な感情が渦巻く中でミスタードラゴンズ立浪の監督としての最後のスピーチを聞いた。
志半ばでチームを去る悔しさと3年で答えを出せなかった己へのやるせなさを感じるに余りあるスピーチだったがフロントもコーチも選手も誰もが直接立浪和義総監督に物申す人間が1人としていなかったことが最大の悲哀だったのではないだろうか。
その意味では最後まで立浪は裸の王様だったのかもしれない。
まだ不完全ではあるが、若手への切り替えの葉境期を大胆に断行した巧の部分を評価する声も多いし、いくら負けてもドームの入場者数が減らず観客動員の記録更新をする営業成績にも賛辞が送られた立浪竜だった。
ただやはり選手の好き嫌いと敢えて言ってしまうが、起用面ではなかなか理解できないことも少なくなかった。
途中でトレードに出されたりビシエドのように自分のやり方に叶わない選手を使わなくなる唯我独尊的な部分はやはり極端だった。
何度言っても出来なかったり、出来るようにやろうとしない選手には去って貰うしかないと公言して憚らない頑固な立浪監督像は最後まで貫かれたと思うのだ。
その頑固なまでチーム解体や改革をし続けた志半ばのチームを継承する人間は本当に大変だと思うが、一昨日やっと今季ファーム監督として好成績を残した井上一樹氏が良き立浪イズムの継承をかって出て来季ドラゴンズ監督の大役を引き受けることが発表された。
全く違う類の人間が引き受けるよりも少なくとも前任監督立浪を尊敬し理解している自分が大海に身を投じる意味は大きいに違いないと井上は語っている。立浪野球イズムのいい部分はしっかり継承しながら自分にしかできないことを模索して行きたいと述べる薩摩男子には大いに期待と声援を送りたい気持ちで一杯である。
立浪が大輪の花なら井上は正に道端の雑草だろう。
その井上一樹の「愛」に期待したい。
今季ファームのゲームがファームのベンチが明るい雰囲気の中に常にあったのは容易に想像できる。
来季のコーチ陣容はまだ発表されてないが、ここ数年なかった底抜けに明るいチームドラゴンズが生まれて行くことが楽しみで仕方ない。
まだまだ頑張るだろう大島を始めとしたベテランや油の乗る中堅、若手、そして新加入の選手らが一団となって新生ドラゴンズが眼の前に現れることを期待しながら苦しかった2024年シーズンのドラブロの筆を置こうと思う。
そして改めて立浪率いた3年間のドラゴンズを自らの全試合ブログを読み返しながら振り返ってみようと思っている。
1年間ありがとうございました!
2024年10月11日
近藤浩章
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