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2009年10月26日 (月)

落合の物言い

僕の今年のプロ野球シーズンは終わった。
圧倒的な巨人の強さと、ホーム&アウェイに於けるジャイアンツファンの声援の数の多さがとにかく目立ったクライマックスセカンドステージだったように思う。そのアゲンストの風を跳ね返す勢いが我がドラゴンズにはなかったのだと思う。
「勝つか負けるかの戦い」と終始コメントし続けていた指揮官・落合にも、敵軍の勢力を跳ね返すまでの策を講ずることは出来なかったのだ。選手起用に於いても、投手交代に於いても、何か他に急場の策があったかのようにも見えたが、飽くまでも公式戦通りの作戦と選手起用を貫き通すことを選んだ。
それはそのまま自軍の選手を信頼している証しに他ならないのだと思う。

落合という男は、失敗をした選手に対しては決して怒らない監督である。失敗したことを失敗した選手自身がその責任と原因を痛いほど自覚し理解出来る教育を常にして来ているからだ。技術の及ばない選手はその足らない所を補い、さらにレベルアップする為には練習しかない事を常に教えて来ているに違いない。
「まだそれじゃダメだよ!」という落合のメッセージは、容赦なく二軍行きをその選手に命じる監督なのである。そして、二軍で再調整し練習して、はい上がって来た選手にはすぐにチャンスを与えて、その向上を確認するのだ。自分との戦いに勝った者だけがこの戦場で一年でも長く働ける事を一番知っている監督なのだと思う。
だから、練習で選手を鍛える厳しさは他のチームの追随を許さない監督なのだ。選手自身も自分を鍛え上げ自分をいじめぬき、他人との競争に勝つ技術を習得して、レギュラーを掴んで行こうとするのである。ドラゴンズのキャンプの練習量は強烈な量である事は、誰もが知っている周知の事実なのである。そうして築いたチームは、自信に溢れた物であるに違いない。だから選手を信頼し、その個々の選手の能力がピンチを脱する事を信じ切った采配を振っているのだ。

そして、「負けた」。

敗戦後指揮官は、「結果は負けたけどまだまだ伸びしろのある負け方だった。だからもう一度鍛え上げれば負けないチームが出来る」と語った。
敗軍の将は、今シーズン思いがけない「風」が一年中吹きっぱなしだったな、と語った。
それを「現実」と認めながらも、その「逆風」の意味を、「野球界」の在り方と共に何かを自問し、何かを訴えているかのように感じられたコメントでもあった。

結果的にドラゴンズ選手の「WBC不参加」に対しての、世間の思いがけないまでの「バッシング」の強さに、たじろぎながらその不本意さを抱いたままシーズンを戦う事を余儀なくされた、「チーム落合」は、「勝つこと」だけが、「チーム」「選手」を癒す「術」であったのかもしれない。
去年、「北京五輪」に一番沢山の選手をシーズン中にも拘わらず派遣したのは「ドラゴンズ」だった。「エース」「抑え」「三番バッター」「トップバッター」の四人の選手を送り込んだ。残ったチームが骨抜きになることを承知の上での事だった。それは他でもない、「JAPAN」の為に確実に「戦力」になる選手達だったからである。「WBC」はシーズンオフの時期だ。一年のシーズンを迎えるに当たっての準備の段階で参加不参加は選手本人の責任とその自信によって量られるものであり、自分が「戦力」になりうるかどうかを熟慮した結果、辞退したのがドラゴンズの選手達だったのだ。

なのに、「報道」の殆どは、こぞって「チームの方針」と報じた。
半ば「非国民」の如く。

その世論を形成したのは一体何だったんだろうか?プロ野球選手の責任とは一体何だろう?「選ばれる名誉」と「選ばない価値観」は同じ次元で語られるべき物ではないだろうか?軍事下での「召集礼状」でもあるまいに。
ごく自然に考えれば、辞退する選手がいれば、出られる選手の範囲も広がり、出たい選手のチャンスが広がる訳であると、そういう風に何故考えられないのかが不思議な事でもある。
現に参加した選手の中には、今シーズンを不本意な形で送ってしまった選手も、
レッドソックスの松坂を始め、ベイスターズ・村田、タイガース・藤川、岩田、オリックス・小松、マリナーズ・城島、カプス・福留、マリーンズ・渡辺、カープ・栗原、石原、ライオンズ・片岡、ソフトバンク・川崎、馬原、デビルレイズ・岩村、そしてダルビッシュと殆どである。
例年よりも早く始動したことにより、コンディションの調整に失敗して怪我をしたり、調子を崩したり、結局1年を全うできなくなってしまうのも選手そのものなのである。
選手の自己責任と球団は言うのだろうか?本来のプロ野球選手としての本分が全うできず、来季の年俸にも少なからず影響していく事も予測出来る所である。落合がいつも言う「選手は皆、自営業者であって誰も責任を取ってくれないから、自分を自分で守っていかなきゃいけない」「1年でも長く選手生命を続けて行く為にはどうすべきかを常に考えていかなきゃいけない」という物言いは本当に実感させられる部分でもある。

そういう意味でも「野球界」が向かっている方向を訝しがっている落合のコメントも十分に納得出来る事なのであるが・・・・・・。

来シーズンこそドラゴンズの復権を心から願ってやまない。

それにしても、今日のニッポンは朝から芸能人の薬物汚染裁判等々の話題一色であった。この絶望的経済不況に於いて、やっと新政権による国会が始まる記念すべき日だというのに我が国のマスコミは芸能スキャンダル>政治 となっているようで嘆かわしい。

それにしても少し度が過ぎる報道のアンバランスを感じてしまうのだけれど。

さて10月ももう最終週になってしまったなぁ。

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コメント

はじめまして。
いつか偶然にこのブログ見つけてちょいちょい読んでます。
今回ついついコメントしました。
WBCの事は、僕もずっと胸につかえてた事です。
何となく僕もこんなふうに思っていましたが、どう表現していいのか言葉になりませんでいた。
でも近藤さんの文章読んで「これだぁぁ!」って。
スッキリしました。
もはや誰も言及しませんが、同じように感じていた人がいたのはとても嬉しいです。
もっとこの考えを世の中の人に知ってほしいですね。

投稿: ドランクドラゴン | 2009年10月27日 (火) 10時38分

ドランクドラゴンさん

コメントありがとうございました。
お返事を。。。と思いましたが
何だか色々書きたくなってしまいましたので
記事の方に書かせて頂きました。
これからも、ドラゴンズファンとしてだけでなく
感じたこと、いいたいことを、呟いていきますので
またコメント下さいね。

投稿: 近藤浩章 | 2009年10月28日 (水) 14時48分

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