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2010年7月13日 (火)

勝者と敗者の分かれ目

10日、演劇界の鬼才、本名・金峰雄こと在日韓国人二世の、つかこうへい氏が六十二歳の若さで逝ってしまった。
三十数年前、つか氏が二十代前半の時、彗星の如く「熱海殺人事件」の作品で演劇界に登場した。
1982年、三十四歳のとき「蒲田行進曲」で直木賞を受賞した。
氏自ら自身の在日二世として日本で生まれ育った数奇な人生への一つの想いから、日韓の文化を通しての交流に尽力を注いだ。数年前、祖国韓国の地で自分の作品を「日本語」での初の「上演」を果たしたのだった。
斬新な作品とユニークな演出で沢山演劇界に財産や遺産を残した類い稀な天才演劇人だった。

今年四月に逝った「井上ひさし」さんに続き、演劇界にとっては非常に大きな損失であるに違いない。

「つかこうへい」のペンネームには、「いつかこうへい(公平)」な世の中がとの想いが込められているのだそうだ。在日二世として日本で生きた人生に於いては、果たして「公平」であったのだろうか?ご冥福を心より祈るばかりだ。

蒸し暑い梅雨季の日本はといえば、不完全燃焼のようだった参議院選挙が終わった。
急激な熱狂を生んだワールドカップが終わった。そして不可解な点を残したまま大相撲名古屋場所が始まった。そんな折、どさくさの中で、我がドラゴンズが宿敵・ジャイアンツに四年ぶりに三連戦三連勝を果たしてしまった。

結局、菅民主党が負けて谷垣自民党が勝った。
でも一番笑ったのは、みんなの党の党首・渡辺喜美だったのでは。
スペインが勝ってオランダが負けた。
でも一番笑ったのは岡田ジャパンとタコのパウロではなかったのでは。
相撲協会は暴力団との腐れ縁に負けて、大関琴光喜は相撲協会に負けた。
勝ったのはすっぱりと実況放送を中止したNHKだったのでは。
落合が勝って原が負けた。
でも一番笑ったのは阪神の真弓なのでは。

人生には勝者がいれば同じ数だけの敗者がいるものだ。
戦いの後、必ず人間の顔の相がはっきりと変わってくるから不思議だ。敗者のそれは戦いの前の人相のかけらもなくなってしまう。まるで別人なのだ。
菅直人総理や武蔵川理事長、原辰徳巨人監督の近々の悪相は敗者の落胆を如実に物語っている。人の顔はきっと嘘がつけないのだろう。心の余裕が生む福相と心の動揺が生み出す悪相の要因には、必ずその分岐点があるものだ。
そこを謙虚に分析総括できさえすれば、その逆転現象が訪れる時も近いはずだ。
所詮、「勝ち」と「負け」は「紙一重」なのだから、勝っても奢らず負けても卑屈にならないことが何よりも肝要なことであると思う。

人の顔を見れば見るほど、様々感じることが多い昨今である。

一昨日亡くなった先述のつかこうへい氏は、勝者だったのだろうか敗者だったのだろうか。
自らの「死」を予測して今年の元旦に書いた「遺言」のようなお別れの文章が発表されている。
「・・・先に逝く者は後に残る人を煩わせてはならない・・・通夜、葬儀、お別れの会等も一切遠慮させて頂きます。・・・娘に日本と韓国の間、対馬海峡あたりで散骨してもらおうと思っています。今までの過分なるご厚意、本当にありがとうございます。」
と綴ってあった。

自分の死後をも美しく演出して逝った彼は、
間違いなく「勝者」であったに違いないと思うのだが・・・・・。

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