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2010年11月 4日 (木)

持ってる男たちの文化の日

昨日は一日中大騒ぎな文化の日になった。
それは勿論野球に関しての事ではあるが……。

秋晴れの神宮球場は予想通り超超超満員の人で埋まった。
歴史的な優勝決定早慶戦に生まれるさらに歴史的なドラマを誰もが心待ちにしているかのような熱気が溢れているのがテレビを通しても十分伝わって来た。
そしてそこには「持ってる男」早稲田の斎藤佑樹が七回までノーヒットピッチングを繰り広げていたのだった。
このまま行くと、この歴史的な試合でさらに歴史的なノーヒットノーランという金字塔を打ち立ててしまいそうな予感さえ漂わせていた。
しかし野球の神様は黙っていなかった。
味方の二つのエラーを試練として与え、その後5連打5失点を施す悪戯を演出したのだ。それは、ここで、この時に、もし歴史的な大記録を彼に与えてしまったら、
これからの彼のプロ野球人生を平凡な物にしてしまう事を憚るかのような
憎らしいまでの演出のように思えた。
そして同僚の大石(西武ドラフト1位)のリリーフを仰いで見事10対5で優勝を果たすのだった。
この神様の見事なまでの演出によって、神宮球場は敗者である相手慶応大学をも巻き込んだ大きな感動と歓喜の優勝シーンに包まれてしまうのだった。

そして「持ってる男・斎藤佑樹」は優勝インタビューで憎らしいまでの言葉を残すのだ。
「周りの人から斎藤は何かを持ってると言われて来ましたが、今日自分が何を持ってるのか確信を持つ事が出来ました。それは『仲間』です!」と…。

自分と一緒に野球をやって来たチームメイトとしての『仲間』、ずっと応援して来てくれた『仲間』、自分を成長させてくれたライバルとしての『仲間』と、様々な『仲間』を持ってる事を確信したと36,000人もの大観衆の前で言ってのけたのだった。
神様が演出した、この苦しみのドラマを『仲間の力で成し遂げる事ができた栄光』と『感謝』の気持ちで表現した男『斎藤佑樹』は、やはり色んな物を持ってる男だと僕には思えた。

プロ野球に入ってからも彼は沢山の感動を
僕たちに見せてくれるであろう事を『確信』した一日でもあった。

そして、夜、日本シリーズ第4戦、4時間半を越える大熱戦はいくつかのドラマを生んだ
結果はドラゴンズが延長11回4対3で勝利するのだが、絶対絶命のシーンがあったのだ

10回裏1死満塁、カウントツースリー、投手・高橋、打者・福浦。
打たれてもダメ、フォアボールもダメ、投げ込んだ第8球目、打球は3塁ライナー。
3塁ベースを踏んで奇跡的神懸かりなゲッツーでチェンジに終わったのだった。
その直前、落合は3塁手を「堂上直」に代えていたのだ。
そう、まさにこの男「堂上直」が「何かを持ってる男」なのである。
その代わったばかりの男の所に神様は打球を飛ばさせたのだ。
そして奇跡が起きるのだ。
「ゲッツー」という誰ひとりとして予想していなかったであろう「結果」をもたらすのだ。
そしてそこにはドラゴンズで唯一「持ってる男・堂上直」がいたのだった。
井端の故障の穴を十分に埋めたシーズン後半、
この男がリーグ優勝という「運」を招いたと言っても過言はないのだが、日本シリーズにはその井端の故障が癒えて戻って来た事から出場機会が無くなっていたのだったが、シリーズ初登場の昨日の守備で「持ってる男」は神様を振り向かせたのだった。
これは『奇跡』の他何物でもないと僕は思う。

このシリーズ今後どのようなドラマが待っているのかまだ解らないが、もしドラゴンズが日本一になったとしたら、この第4戦、この『奇跡』を呼んだ、選手交代が分岐点になる事に違いないと思うのである。

「持ってる男」は「斎藤佑樹」だけじゃなく、
我がドラゴンズにもちゃんと存在していた事がとても嬉しい文化の日の夜になった。

さて今夜は千葉決戦最終夜である。
noteいいぞ、ガンバレ!ドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!note

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コメント

初めてコメントさせていただきます。
福浦との勝負に勝ったのは高橋です。奇跡ではありません。
高卒8巡目で入団した無名の投手が、勝ち試合も負け試合も、いろいろな状況で300試合もドラゴンズで投げてきて、昨日のあのマウンドに立っていたのです。
ヒットはおろか犠牲フライもダメ、ボールひとつで押し出しという場面で、まっすぐ真ん中に腕を振って投げ込むことがどれだけ難しいことかわからないのですか?
直倫がサードにいたから、直倫が何かを持っているから奇跡が起こってゲッツー取れたというのは、高橋の努力、歩んできた道、そして昨日見せた集中力・気力に対してあまりにも失礼です。
残念ながら、誰がサードにいてもあのライナーは捕れたしゲッツーになったでしょう。
何か持ってるなんて、そんなのはありません。結果はすべて努力がもたらすのです。
直倫も、自身の努力でやがて輝くでしょう。

投稿: ルイス | 2010年11月 4日 (木) 18時48分

ルイスさんはじめまして!
率直なコメント有難うございました。
ルイスさんがおっしゃる通り、僕もあの日のアッパレなのは高橋であり、決勝打を放った大島であり、前の回の拙守を取り返そうと必死に出塁した英智であると思っています。殊に高橋の今シーズンの一年を通して浅尾と共に不動のセットアッパーの地位を守り通した劇的な躍進の姿には感動すら覚えるものです。
これまでの日々の弛まない精進や努力こそが、あの喉から心臓が飛び出そうな場面で自分を信じて谷繁のミット目掛けて投げ込めた賜物だと確信しています。
ただ、野球には往々にして努力とかの現実を超えた所にある『力』、それは例えば『流れ』とか『野球の神様の存在』と言われる種類の事ですが、そんな不思議な『力』が動かしている事があるように思う時があるのです。
あの日僕の目には、『野球の神様』が、
一日中ふらふらと、さ迷いながら『持ってる男』を探していたように思えてならなかったのですよ。
『野球の神様』は、あの高橋の渾身の一球を無駄にしないために、一瞬の落合の采配を見逃さなかったのだと思うのです。あの直前に、突然に、しかもイニングの途中に、三塁手を交代させた、知将落合のひらめきがあったのです。そしてそのプランの先には『堂上直倫』が存在していたのです。彼はまさに『神様』が探していた『持ってる男』だったのです。
今シーズンの『堂上直倫』は井端の故障からチャンスを掴みかけた、ドラゴンズ唯一の『持ってる男』だと思うのです。
そして、『野球の神様』はその打球を、探していた『持ってる男』の所に運ぶ『粋な計らい』を施してくれたのだと思ったのです。
あの日、巷は、早稲田斎藤佑樹の『持ってる男』発言一色でした。
彼の同期でもある、我がドラゴンズの若武者『堂上直倫』も『持ってる男』といえるに十分に値する存在であると僕は思ったのです。
しかし『神様』は昨日また悪戯を施しました。シリーズ初めてのスタメン『堂上直倫』にいきなりエラーという試練を与えたのです。そして試合は負けました。
『神様』は明日からの名古屋でもきっと幾つかの悪戯をすることだと思います。
しかしそれはきっと、僕たちに喜びをもたらしてくれる悪戯だと信じています。何故ならそれは、ルイスさんがおっしゃる通り、ドラゴンズの選手たちはどのチームの選手よりも、負けない努力と精進をしてきた誇るべき勇者たちだからです。『野球の神様』はそれを見逃すことはないと信じています。ドラゴンズの日本一を心から祈りましょう!
有難うございました!

投稿: 近藤浩章 | 2010年11月 5日 (金) 12時37分

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