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2014年4月10日 (木)

野武士のごとく

◇4/9…ナゴヤドーム
中日 9 - 3 東京ヤクルト

2014.4.9PM8.42一人の男がバットを高々と掲げて左バッターボックスに立っていた。
八回裏二死走者一塁、ランナーは谷繁、二死走者なしからしぶとく安打で出塁、この男に代打出場のチャンスを与えたのはまさしく監督だった。
カウントはファールで粘って スリーボールツーストライク ヤクルト押本が投じた10球目、男は渾身のフルスイング、ライトスタンド中段のドラゴンズファンが待つそのど真ん中に白球は突き刺さった。
ライトスタンドに陣取る熱狂的なドラゴンズファンは他の誰よりもこの男の一発を心待ちにしていた。
そこに測ったように打ち込んだ男、三年間の自らの不遇な野球人生を断ち切るように弾丸ライナーを放った男、それはそのままその男の移籍の挨拶のようであった。
その男の名は、小笠原道大40歳 背番号36 だ。
プロ18年目フルスイングスラッガーの378号であった。
昨夜の試合の勝敗には直接影響のないホームランではあったが、ダメ押しのダメ押しになりドラゴンズファンにとっては心の底からこの男の一発を祝福できる夜になった。
ジャイアンツでの最後の三年間は怪我や不振で出場機会も減り、ファームで送る日々も多かった。
かつてのMVP男のプライドもズタズタにされ、半ば戦力外扱いのFAでドラゴンズの門を叩いたのだ。
しかし、この男は不遇な三年間をこう語っている。
「プレーヤーとすれば、一軍でプレーできていないのは最悪だと思うでしょう。でも自分にとっては最高の三年間だった。自分じゃなきゃ、あの三年は経験できないわけですから。それが今後に生きるわけだし、それを知らないでやめていく選手はたくさんいるわけです。すごい貴重な最高の経験だったと思っています。」と…。
何と凄い男ではないか。ファーム暮らしの日々でも目的意識を持って一日一日を過ごして来たから、それは大きな財産になったと話すのだ。
一年間ドラゴンズでプレーして谷繁監督を胴上げする輪の中にいたい、それが自分の目標で皆も喜んでくれると思う…と。

ドラゴンズの優勝請負人として、そのバットを思いのまま降り続けて欲しい。
小笠原道大、この男はまるで野武士のようだ。

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