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2017年9月11日 (月)

武士の情けの気高さを…

◆ 9/10(日) ― ナゴヤドーム
 中 日 3 - 4 広 島

昨日の岩瀬起用は果たしてあの場面が適当であったのだろうか?という疑問が湧いてくる。
自らのメディカルチェック及びメンタルな部分のチェックも施した後、自身の進退をかける為の一軍登板を期した岩瀬にとって、その「結果」が持つ意味は非常に大きい筈である。
広島の勢いに2連敗を喫し、この日は小笠原が若さに任せて好調打線に立ち向かいながら6回を1失点に抑え、味方の打線が奮起して奪った得点で3ー1とリードしての継投だった。ブルペンには、祖父江、谷元が2連投、アラウホ、福谷は勝ちパターンではなく、伊藤、又吉、田島、そして岩瀬しかいなかった。
しかし、この日の小笠原は速球も走り、カーブ、チェンジアップと緩急の投げ分けもできて、広島打線を圧倒していた。タイプは違えど、同じ左腕で、小笠原程の威力のあるストレートもなく、オーソドックスにコーナーに投げ分けるコントロール主体のテクニックで投げる岩瀬はカープ打線にとっては組みやすい投手であったに違いない。
せめて1人右を挟めば違っただろうが、小笠原即岩瀬の継投には疑問が残る。ましては上がってきたばかりで進退もかかる超ベテラン岩瀬にはあまりにも厳しい場面ではなかったのではないだろうか?ならばせめて、丸、松山の左二枚まで小笠原を続投させ、エルドレッドで伊藤をワンポイントに挟んで、安部の所からの起用とするとか、休養万全の又吉を先に投げさせてカープの息を止めてから8回下位打線の所からの起用とするのがベターではなかったのではないだろうか。
しかし、できることなら一軍復帰最初の登板だけは、負けてる場面、例えば一昨日谷元が逆転された後の比較的楽な場面での起用とか(残念ながらまだ未登録ではあったが)が望まれる所だった。
台所事情もあろうが、絶好調で神がかっている広島戦での登録は避けて、次のヤクルト戦にするとか、稀代の功労者岩瀬にはもう少し細かい配慮が必要だったような気がしてならない。
「結果」に対してこだわるのはベンチの森監督ではなく岩瀬本人だからである。丸に粘られ四球、松山に初球をライトスタンド最上段にどデカイ同点ツーランを浴びた岩瀬の心の痛手は他の人間に計り知れないものだろう。
打たれて交代して戻ってきて、ベンチの端に腰掛けてグラウンドを見上げる岩瀬の姿が何度となく映し出されたが一体何を思っていたのだろう。岩瀬の元に誰も近寄る者がいなかったのも何だか哀しく思えた。

9月の日曜日スタンドは超満員で、半分以上が優勝間近のカープファンの赤色で埋まっていた。
昔日の常勝チームを支え続けてきた鉄腕岩瀬の落日と、ビジターチームにも拘らずホームチームを圧倒し仁王立ちしている現在の常勝チーム広島カープの姿が、鮮やかなコントラストを表しているように思えた。

『諸行無常』『盛者必衰』の思いを強く抱いた初秋の黄昏時になってしまった。

試合後両チームの2人の言葉や姿に武士の情けを感じざるを得ないことがあった。

  1人は捕手武山、小笠原の独りよがりの考えに苦言を呈して「あいつは自分の事しか考えていない。上手く投げられているカーブばっかり首を振って投げたがっていたが、こっちは先のリリーフ投手の時の事まで考えて伏線を張りながら配球を組み立てているんだ。カーブ打線に内を強く意識させる必要があるから内に速い球を要求しているんだ。それが岩瀬さんの時に上手く生きずに影響してしまったんだ」と敢えて伸び盛りの若武者小笠原の自分勝手をたしなめる発言で岩瀬を庇った。

もう1人は広島の松山、ヒーローインタビューでアナウンサーにファンに向かってお決まりの雄叫びのようなモノを求められて、「いや、まだ優勝した訳ではありませんから、これからも優勝するまで一生懸命やって行くだけです」と謙虚に控え目に歓びを抑えたように答えて、ホームチームのドラゴンズファンに配慮を見せた。これはそのまま、球界の先輩岩瀬からホームランを放ちヒーローになった松山の岩瀬に対する尊敬の想いがこもった配慮だったに違いない。

岩瀬にとっては何かが変わることのない「結果」があるが、この2人の選手の態度と言葉に気高い武士の情けを抱かざるを得なかった。

人間は決して1人で生きられるモノではないのだから。

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コメント

コメント、失礼させていただきます。正直、私はカープファンなのですが、近藤さんのブログはよく拝見させていただき、鋭いご意見と野球に対する見識にはいつも納得させられています。

他のチームのファンが、他のチームのファンの方のブログにコメントを書くのはご法度というのは、重々承知なのですが、この感動的な記事にはコメントをしないではいられなくなりました。ご無礼をお許しください。

強い弱いは時代の流れです。カープも25年間優勝から遠ざかっている時期もありました。そして、今、やっと強い時期をたまたま迎えただけのことなのです。
そんなことより、近藤さんが仰っているように「武士の情けの気高さ」がどれだけ、野球ファンの心を揺さぶるか・・・・。

そんな野球の本質を見たいものですし、近藤さんのブログでもぜひお伝えいただければ幸いです。

本当に、大変失礼しました。これからも、よろしくお願いいたします。

投稿: 原田稔 | 2017年9月11日 (月) 19時28分

原田稔様
とても有難いメッセージありがとうございました。超満員のナゴヤドームに赤色が一杯で本当に熱心で熱いカープファンに感動すら覚えます。この3連戦はカープの優勝への道筋をハッキリと照らす役割を演じる相手役になってしまった、我がドラゴンズでした。赤ヘル時代の再来で常勝カープ時代の黎明すら感じますね。
羨ましい限りです。落合ドラゴンズが強かった時代、あともう一歩の所でBクラスに甘んじていたカープがそんなに遠くない未来にドラゴンズを追い越すかもしれない予感は充分ありました。生きのいい高校生中心のドラフトを推進しながら5年後10年後に照準を合わせた猛練習の噂は絶えず伺っていましたから…。
それが本当に大きな花を咲かせたのですね。見事としか言葉は出て来ませんが、我がドラゴンズも原点回帰と謳っているように、練習練習練習という日々の繰り返しの中でもう一度選手とベンチとフロントとファンが一緒に歓喜する日が来るように精進していかなくてはいけないと願っています。カープの最大のライバルになれる日を本当に心待ちにするだけです。今回は本当にコメントを頂き感謝しております。
弱くても全試合必ず、ブログは最終戦まで頑張って記しますので、今後とも厳しく温かい眼差しで見つめてやって下さい。宜しくお願い致します!!
近藤浩章

投稿: 近藤浩章 | 2017年9月12日 (火) 06時36分

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